植民地経営 2020 1 18
「植民地」というと、大国が強力な軍事力を使って、
弱小国を支配するというイメージが強いですが、
それは、軍事的な側面のみを見たものであり、
経済的な側面を見ていません。
植民地経営のポイントは、
安い労働力の獲得にあります。
このような植民地経営で損をするのは、母国の労働者であり、
得をするのは、資本家でしょう。
現代では、このような植民地経営はありませんが、
似たような話は、いくらでもあります。
たとえば、20年前ぐらいだったと思いますが、
アメリカで、こんな話を聞き、唖然としたことがあります。
「アメリカ国内の工場を閉鎖して、メキシコに工場を建てれば儲かる」
確かに、このようなことをすれば、人件費が削減できて、
利益は大幅に増え、株価は上昇して、経営者も儲かるでしょう。
しかし、アメリカ国内の労働者は、どうなるのか。
また、現代では、植民地経営の変形版もあります。
それは、難民を大量に受け入れて、安い労働力として使うことです。
こうしてみると、トランプ大統領が進める政策は、
「反植民地政策」に見えるでしょう。
世界は、この30年、「見えない植民地経営」を推進しました。
しかし、トランプ氏が、それを終わらせようとしています。
もちろん、トランプ氏には、その自覚がなく、
単純に「アメリカ・ファースト」という政策を推進しているだけかもしれませんが、
私は、別の観点から、「トランプ政策」を見ているのです。